2007年01月26日
浮きの正体
浮きの正体
1、比重について
最近、 非常にシビアにウキの浮力を押さえて海中を浮遊させる釣り人が増えました。
グレの喰いが渋くなったせいでもあるでしょう。そうすることで、エサが自然と流れて違和感がなくなるのは確かだと思います。さて、
その浮力の調整ですが、海水と真水では差があるのはご存じだと思いますが、 その差はわずかです。摂氏4度Cの真水を比重1としたら、
海水は大体1.02~1.03です。伊勢湾や希水域では1.01前後のところもあります。つまり、1%~3%
セント程度の浮力の差が出る訳です。また、水温(海水温)でも比重は変わってきます。暖かい水は比重が小さく、
ウキは沈みやすくなります。

ここで、実験です。
冷たい水でトップがギリギリとなるようにゼロゼロのウキを作るか、鉛で調整して浮かべて下さい。別の入れ物に少し熱い湯を入れて、
そのウキを浮かべてみて下さい。
そのウキは見事にズボッと沈む筈です。
(写真はクリックすると大きく表示されます)
2、重さと体積の関係
浮くか浮かないかの中間のウキ。つまり、ゼロゼロ負荷 (水や海水の比重と同じ)のウキを考えると答えが出ます。
海水と同じ比重になったウキは浮きも沈みもせず、海中を浮遊する。つまり、海水と同じなのです。ということは、
ウキそのものが海水と考えてよくこのウキの中に海水がいっぱい詰まったと考えて良いでしょう。よって、
重さはこのウキと同じ体積の海水の重さになります。
海水は、温度や地域の潮の濃さなどで比重が変わりますが、この体積に相当する海水より重たければ沈み、軽ければ浮く。
ただそれだけなのです。
3、
魚が感じるウキの抵抗
グレなどがエサを吸い込んだり、 エサをくわえて走る時はウキの抵抗を感じますが、その抵抗は、
慣性力の抵抗と海水から受ける流体抵抗とに分けられます。
慣性力とは、加速度の抵抗とも言われ、物を動かそうとする時に発生する力です。
よって、野球のボール位もある大きなウキを海面ギリギリまで沈めても、この力がある限り魚は大きな抵抗を感じるのです。
ウキが沈む時には海水の粘性による抵抗が生じます。流れによる流体抵抗で、粘性抵抗とも呼ぶが、この力は、
ウキが細くて小さいほど小さく、太くて大きいほど大きくなります。ウキの形でもこの大きさは違ってきます。
たとえば底が平らだと流れを面で受けて大きな力となるが、尖っていれば力は小さい。トップも同じことが言えるが、
平らだと渦が出来て大きな抵抗となります。
また、ウキの入るスピードで抵抗は変わるが、そのスピードの2乗に比例します。また、その大きさは太さの2乗に比例します。例えば、
太さが2cmのウキが5Kgの抵抗の時、その倍の太さの4cmにしたら抵抗は倍の10Kgでなく、
2の2乗の4倍で20Kgにもなると言うことです。
よく、竿がブン曲がってもいないのに、糸がブンブン出て行っている途中でハリスが切れた。という話を耳にします。
(私も実際に何度も経験している。)根を擦って切られることもあると思いますが、
ウキの流体抵抗によって切れることもあると考えられます。計算したことがあるが、
直径3cmほどの円錐ウキでウキ止めを付けた仕掛けで釣りをしたとする。そこへ、1メータークラスヒラマサが掛かり、
時速100キロの猛スピードで逸走したら、ウキには20Kg以上の力がかかり、
ハリスにも同じく20Kg以上のテンションがかかることになり、糸の出を止めるまでもなく5号ハリスなど簡単に切れる。まして、
糸の出を止めれば衝撃力も加算されて一瞬で切れる。という訳です。
よって、大型のヒラマサや尾長グレ狙いはウキ止め無しで挑んだ方が賢明ではと考えます。 (ウキの抵抗がハリスや道糸にかからない)
4、重心の話
重心が低いウキは、元に戻る力(復元力)が大きい。 ちょうどダルマさんの様に安定がよく傾いてもすぐに元の姿勢に戻ろうとする。
道糸が風で引かれたり、さそいをかけたときに傾きにくいと言える。
逆に重心が高いと元に戻ろうとする力が小さく傾きやすいという訳です。
また、重心が低いと揺れる大きさは小さいけどその速度は速い(周期が短い)。重心が高いと揺れる大きさは大きいけど速度は遅い
(周期が長い)。ちなみに客船などはそのところをよく考えて重心高さを決めている。
では、どちらが優れているかだが、一概には言えないと思います。 (私は重心が低い方がウキが安定して好きだが)
重心が高いウキは道糸やハリスが斜めになっても、その角度に合ってくれるので、ウキの微妙な抵抗も、
違和感もなくグレの喰い込みはいいかも知れない。
投稿者 ootani : 2007年01月26日 19:43

